タイのアユタヤ洪水にみる、企業の脆弱性、もしくは終焉、企業百年の計
タイのアユタヤ洪水では、200人以上の方が亡くなられたとか。ご冥福をお祈りいたします。
日本も自然に大いに叩かれました。東日本大震災、台風12号、台風15号、などなど。
ところで、タイのアユタヤ洪水で、部品工場が水没し、部品の調達ができなくなった自動車会社や重電機器メーカーがあるとか。
そういった取引先が、操業を停止してしまったために、他の部品を請け負っていた会社まで、とばっちりをうけて
減産や操業停止などの生産調整をせざるをえなくなっている。
なんともバカバカしい話だ。
企業には、大企業から中小、零細企業まで、買う-買ってもらう、のヒエラルキーがある。
トップの企業が停まれば、そのヒエラルキーの下の階層の企業に何らかの打撃がある。
何故、今回部品工場が水没した企業は、他の地域にも生産拠点を設けなかったのか。
もし、今回のような事態を考えておれば、当然、生産拠点の分散というリスク軽減策があって当然なのだ。
それをせずに、アユタヤの工業団地にのみ、工場を作った、ということは、
単に良質で安価な労働力を求めた、というだけの企業の思考であったといえる。
いつまでも、良質な安価な労働力を提供できる国などない。その国と国民が富むにつれて良質な労働力の単価は上昇する。
その国が、安価な労働力を提供する国から、今度は、市場へと変わる。
企業は、物を作らせる立場から、物を買ってもらう立場へと変わらざるを得なくなる。
そして、企業は、より良質で安価な労働力を求めて、世界を彷徨う。
いつかは、すべての国や、地域が、労働力の提供場所ではなくなり、市場となるだろう。
企業は、労働力の単価格差に惹かれて、正社員の採用を制限する。
結果、企業が最初に根を下ろした国家の失業率の増大、国家の若年低所得者層の増加を招き、
皮肉なことに、根ざした国家の市場が衰退して行く。
一方では、良質で安価な労働力を提供できる国は、先に書いたとおり、市場となって成長する。その国の企業も増え、ライバルとなる。
韓国、中国がいかに変貌したか。
かくして、国家間格差は縮小する。この現象でも、熱力学の第2法則、エントロピーの増大が見られるのは、なんとも興味深い。
競争社会であり、企業群が無秩序に利益を求めるがゆえに、エントロピー増大を抑える制御が存在しないのだ。
国家群の経済格差のエントロピーが最大に達したとき、企業がどのような変貌を遂げているのか、どのような終焉を迎えているのか、
非常に興味深い。
そう、私は、「どんなに強力な企業であっても、企業皆が利益第一主義の世界では行き詰る」、といっているのだ。
「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必滅の理を表す。
驕れる者も久しからず、ただ、春の夜の夢の如し。
たけき者もついには滅びぬ。ひとえに風の前の塵に同じ。」
日本も自然に大いに叩かれました。東日本大震災、台風12号、台風15号、などなど。
ところで、タイのアユタヤ洪水で、部品工場が水没し、部品の調達ができなくなった自動車会社や重電機器メーカーがあるとか。
そういった取引先が、操業を停止してしまったために、他の部品を請け負っていた会社まで、とばっちりをうけて
減産や操業停止などの生産調整をせざるをえなくなっている。
なんともバカバカしい話だ。
企業には、大企業から中小、零細企業まで、買う-買ってもらう、のヒエラルキーがある。
トップの企業が停まれば、そのヒエラルキーの下の階層の企業に何らかの打撃がある。
何故、今回部品工場が水没した企業は、他の地域にも生産拠点を設けなかったのか。
もし、今回のような事態を考えておれば、当然、生産拠点の分散というリスク軽減策があって当然なのだ。
それをせずに、アユタヤの工業団地にのみ、工場を作った、ということは、
単に良質で安価な労働力を求めた、というだけの企業の思考であったといえる。
いつまでも、良質な安価な労働力を提供できる国などない。その国と国民が富むにつれて良質な労働力の単価は上昇する。
その国が、安価な労働力を提供する国から、今度は、市場へと変わる。
企業は、物を作らせる立場から、物を買ってもらう立場へと変わらざるを得なくなる。
そして、企業は、より良質で安価な労働力を求めて、世界を彷徨う。
いつかは、すべての国や、地域が、労働力の提供場所ではなくなり、市場となるだろう。
企業は、労働力の単価格差に惹かれて、正社員の採用を制限する。
結果、企業が最初に根を下ろした国家の失業率の増大、国家の若年低所得者層の増加を招き、
皮肉なことに、根ざした国家の市場が衰退して行く。
一方では、良質で安価な労働力を提供できる国は、先に書いたとおり、市場となって成長する。その国の企業も増え、ライバルとなる。
韓国、中国がいかに変貌したか。
かくして、国家間格差は縮小する。この現象でも、熱力学の第2法則、エントロピーの増大が見られるのは、なんとも興味深い。
競争社会であり、企業群が無秩序に利益を求めるがゆえに、エントロピー増大を抑える制御が存在しないのだ。
国家群の経済格差のエントロピーが最大に達したとき、企業がどのような変貌を遂げているのか、どのような終焉を迎えているのか、
非常に興味深い。
そう、私は、「どんなに強力な企業であっても、企業皆が利益第一主義の世界では行き詰る」、といっているのだ。
「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必滅の理を表す。
驕れる者も久しからず、ただ、春の夜の夢の如し。
たけき者もついには滅びぬ。ひとえに風の前の塵に同じ。」